顔立ちの良さはどこで判断しているのか。
それにはまず、顔面の理想的な成長発育を理解する必要があります。
そして、「 遺伝か 環境か 」という問いについても考えなければなりません。
顔立ちは生まれつき決まっているものなのか、それとも環境によって変わるものなのか。
まず、顔面の骨自体には成長発育はプログラムされていないことを知ってもらわなければなりません。
成長発育の「設計図」は、筋肉や気道、咽頭、脳などにあり、そこから骨に「位置情報」が伝達されることで骨はこどもから大人の顔へと形づくられていきます。つまり、頭蓋顔面の骨はそれを取り囲む筋肉や呼吸器が正しく機能していると理想的な成長発育をしてくれますが、口呼吸をしていたり、口腔周囲筋などが間違った機能を起こしていると、成長発育の方向は変わってしまいます。
わたしたちが目にする歯ならびが乱れたこどもたちは、共通して、中顔面の前方への成長不足が見られます。
横方向ではなく、前方です。
- ここで一度、歯に注目してみましょう。
CASE 1. は上顎前突といわれる症例です。写真左側初診時の上顎と下顎の位置を比べると上顎が前に出ています。いわゆる出っ歯です。
CASE 2. は下顎前突といわれる症例です。写真左側初診時の上顎と下顎の位置を比べると下顎が前に出ています。いわゆる受け口です。
- 次に、治療前後の顔立ちの変化に注目してみましょう。
治療前の状態は、理想的な頭蓋顔面の成長と比べると、この上顎前突と下顎前突どちらも 上顎(中顔面)の前方への成長不足を起こしています。
口元だけをみてしまうと、出っ歯だ、受け口だ、という判断で終わってしまうのですが、顔全体で見た場合では、上顎は必ず前方への成長不足という点で共通しています。
つまり、顔の成長発育は口呼吸と低位舌によって悪化し、歯ならびは 舌と唇のポジションの違いで出っ歯にも受け口にもなりうるということです。
例えば、すでに出っ歯なのにもっと前に出したら大変なことになってしまうのでは? と思われる方もいるかもしれません。
”木を見て森を見ず” というように、歯だけを見て顔を見なければそういう考えに至ってしまいます。
Myobrace 矯正治療は、頭蓋顔面の正しい成長発育を治療の目的にしています。歯ならびはその結果としてついてくるものだからです。
逆説的にいうと、「自然な方法」で歯ならびを治すことは、顔立ちもよくなるということです。
「自然な方法」で歯ならびを治す
生物学的な問題は、生物学的な治療で治すということです。
機械的な装置を使うことではありません。
私たちの身体を構成する37兆個の細胞には、両親から受け継いだ理想的な遺伝情報を持っています。ただし、その遺伝情報は 筋肉や呼吸器が正しい機能を発揮してこそ、良い顔立ちにつながるのです。
最新の科学的根拠(エビデンス)では、後天的な環境シグナルが遺伝子の活動に影響を与えることがわかってきています。
Myobrace システムは、筋肉や呼吸器に制御信号を送り、細胞間のネットワークにはたらきかけることで、眠っていた遺伝子のスイッチをONにしたり、過剰にはたらいていたスイッチをOFFにしたりすることで、本来持ち合わせた理想的な遺伝情報を引き出すことを可能にしています。
「 遺伝か 環境か 」という二択ではなく、環境にはたらきかけることで遺伝情報を操作するという新時代の医療に足を踏み入れているのです。
まとめ
平らな顔が、目鼻立ちのしっかりした顔になったのです。